TFCC損傷の「TFCC」とは、「三角繊維軟骨複合体（Triangular Fibrocartilage Complex）」の略です。

 TFCCは手首の小指側にある組織のことで、肘から手首までの骨（前腕の骨）である橈骨（とうこつ）と尺骨（しゃっこつ）を結んでいる靱帯、腱、軟部組織の複合体のことを指します。

TFCCの重要な役割は、手首の小指側に安定性を与えることです。

また、関節にドアノブを捻るような動き（回旋動作）が加わった時に、力を伝達・分散・吸収する役割もあります。

TFCC損傷を起こすと手首の安定性を保つ事が出来なくなり、手首の動き全般に支障をきたします。

TFCC損傷を起こす事例として、転倒した際に地面などに手をついてしまって起こる外傷性のものと、スポーツや業務などの繰り返し動作によって、負担がかかり続けた結果損傷するものがあります。

TFCC損傷の原因は、大きく分けて三つあると考えられます。

まず一つ目は、外傷性のものです。

転倒した際に手を地面についてしまったり、手首を何かにぶつけてしまった場合などに発症します。

二つ目は、手首への負担です。

TFCC損傷はゴルフや野球、バドミントンなど手首を捻ることが多いスポーツで、発症することが多いです。手首を捻る動きを定期的かつ長期的に行うことで、手首に負担がかかり続け発症します。

三つ目は加齢です。

加齢に伴う関節内部の組織の変形が原因で発症することもあります。

また上記の他にも、手首付近の骨折や、関節リウマチや痛風の発症が、TFCC損傷のリスクを向上させると言われています。

TFCC損傷の主な症状は、手首を動かした際の痛みです。特に手首の小指側に痛みが出ます。

手首を動かすことで痛みが見られる例としては、

・手首を小指側に倒す

・タオルを絞る

・包丁を握る

・ドアノブを回す

といった動作があります。

特に、手首を捻る際に痛みを強く感じます。

また、手首に強い痛みを感じたときに、手に力が入らないといった症状がみられることもあります。さらに炎症が酷い場合には、鋭い痛みや、手首を動かさなくてもズキズキした痛みを、感じることもあります。

アイ鍼灸整骨院平塚店では、痛みの原因がTFCC損傷か、そうでないかを判別するために、ストレステストを行います。手首を伸長・圧迫・回旋（捻る）といった動作をさせることで、ストレスを加え、痛みを感じるか感じないかで評価します。

【TFCC近位部ストレステスト】

前腕を他動的に内側と外側に捻ることで、TFCC(手首の小指側)付近に回旋（捻る）ストレスを加えます。手首の小指側に痛みが出れば陽性とし、痛みが出なければ陰性となります。

【TFCC遠位部ストレステスト】

他動的に手首を背屈(手の甲に曲げる)と掌屈(掌のほうに曲げる)、撓屈(親指側に曲げる)と尺屈(小指側に曲げんる)することで、TFCC付近に伸長・圧迫ストレスを加えます。痛みが出れば陽性とし、痛みが出なければ陰性となります。

アイ鍼灸整骨院平塚店では、TFCC損傷の状態によって施術方針を決め、施術プランを立てます。

炎症症状が強い場合にはアイシングなどを行い、炎症を抑える施術を優先的に行います。

炎症症状が落ち着くと、手首付近の筋肉が固まり、動かしにくさがでてきます。アイ鍼灸整骨院平塚店では、電気療法や徒手療法で、筋肉の固さを和らげていきます。その際、施術の前に行うストレステストの結果を基に、刺激を入れる筋肉を決めていきます。

TFCC損傷は、手首の小指側の圧迫度合いによっても状態が変化します。そのため、手首を牽引しながら、関節を広げ、動かしながら筋肉に刺激を入れます。関節が広がることで、手首が動かしやすくなったり、痛みの緩和が期待できます。

アイ鍼灸整骨院平塚店では、患部の炎症症状や痛みが改善してからも、再び痛みが戻らないようにするために、身体全体のバランスを診ながら施術を進めていきます。

外傷性でなく、負担のかかり続ける動きが原因でTFCC損傷を起こした場合では、身体の使い方に問題がある可能性が高いと考えられます。身体の使い方を正すことで、再度TFCC損傷を起こす可能性を低くすることができ、さらに運動パフォーマンスを向上させることができます。

気になる症状や痛みなどありましたら、いつでもアイ鍼灸整骨院平塚店へご相談ください。